<< 萬年筆くらぶの始まり >> 1993年 fuente 0号より

 万年筆の魅力に取り付かれた人たちがいます。

 ある人は一本の万年筆を何十年間も使い続け、その魅力を語り始めると一時間でも二時間でも続きます。ある人は一本購入すると、すぐ新しい万年筆が気になり出し気が付いたら机の上は万年筆だらけ。どの万年筆にどこのメーカーのインクが入っているのかも分からなくなっています。またある人は、古い万年筆に魅せられ、骨董屋、蚤の市を歩いて回っています。たとえ使用できずとも、探し求めていた万年筆を見つけた時はフラフラと金を払ってしまいます。その他にも、ペン先だけに興味を持っている人、インクに興味を持っている人、筆記具の歴史に興味を持っている人、また、自分の好きな作家が万年筆を愛用しているというだけの理由で万年筆に関心を持っている人、このように万年筆との付き合い方も色々とあるようです。

 「書く」という行為だけであれば、何も何万円もする万年筆である必要は全くないわけです。鉛筆、ボールペンと身近な筆記具がいくらでもあります。 

 しかし、何故か万年筆にこだわってしまうのです。この「不思議な魅力」を持つ万年筆という筆記具を話題にするサロンをつくろうと考えました。「万年筆への思い入れ」をふんだんに語り合えるサロンをです。万年筆愛好家が自由に集い、自分たちで運営をするサロンをです。


                          萬年筆くらぶ   中谷でべそ

fuente50号発行記念誌『fuenteに寄せて』のまえがきより

 今日は何を食べようか。何を飲もうか。

 その日その時、身体が欲する物を食べ飲む。

 それが身体にはいい。

 食べ物も美味しい。

 今日は何をしようか。切手貼りをしようか。

 今日は礼状書きをしたいな。今日は校正をやろう。

 原稿締め切りからフエンテ製作作業が始まるが、

 発送までのタイムテーブルは作らない。

 その日その時、やって楽しいと思うことをやる。

 それが心にいい。

 作業も楽しい。

 計画性もないままに、思い付くままに作業をやっているのに、

 年に3回、同じ時期にフエンテが完成してしまう。

 これは不思議としか言いようがない。

 その不思議が50回も続いたのだった。